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前立腺肥大症

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは

前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりする役割を持っています。前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取りまくように存在します。前立腺の大きさは、通常はくるみ程度の大きさですが、加齢とともに肥大することで徐々に尿道を圧迫し、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。多くは50歳を超えてから出現する病気です。

症状

前立腺肥大症では、排尿症状(排尿困難をはじめとする、尿を出すことに関連した症状)、蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)、排尿後症状(排尿した後に出現する症状)がみられます。。
排尿症状
排尿困難とは、尿が出にくい症状の総称ですが、「尿の勢いが弱い」、「尿が出始めるまでに時間がかかる(尿を出したくでもなかなか出ない)」、「尿が分かれる(尿線が分かれて出る)」、「排尿の途中で尿が途切れる」、「尿をするときに力まなければならない」などの症状があります。
蓄尿症状
前立腺肥大症では、多くの場合頻尿がみられます。頻尿については、一日に何回以上という定義はありませんが、昼間(朝起きてから就寝まで)については概ね8回より多い場合、夜間は就寝後1回以上排尿のために起きる場合、それぞれ「昼間頻尿」、「夜間頻尿」と考えられます。「尿意切迫感」は、急に我慢できないような強い尿意が起こる症状を言います。また、尿意切迫感があって、トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまうような症状を、「切迫性尿失禁」と言います。
排尿後症状
「残尿感」とは、排尿後に「どうもすっきりしない」、「尿が残っているような感じがする」といった感じのことです。また、尿が終わったと思って、下着をつけると尿がたらたらっともれて下着が汚れることがありますが、これを「排尿後尿滴下」と言います。

原因

前立腺が肥大する原因はまだはっきりとは解明されていません。
中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。また、肥満、高血圧、高血糖および脂質異常症と前立腺肥大症の関係が指摘されており、メタボリック症候群との関係についても、検討されています。野菜、穀物、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症抑制効果があることが指摘されていますが、喫煙やアルコール、性生活との関係は明らかではありません。

診断

自覚症状の評価 自覚症状の程度(重症度)の評価には、症状質問票を用います。
尿検査 血尿の有無、尿路感染症の有無などを調べます。
尿流量測定・残尿測定 実際にトイレで排尿してもらい機械で尿の勢いや量を測定することで、排尿の勢いに問題がないかを検査します。排尿直後に膀胱内にどれくらいの尿が残っているかを測定します。
血清PSA(前立腺特異抗原)測定 PSAは前立腺から分泌されるタンパクで、血液検査により血液中のPSA濃度を測定することができます。PSAは前立腺癌のスクリーニング検査として有用で、正常値は4ng/mL以下ですが、前立腺癌があると正常値を超えて上昇します。
前立腺超音波検査 超音波検査により、前立腺を描出して、前立腺の大きさ(体積)を計測します。
CT、排泄性尿路造影 排尿障害により腎や尿管(上部尿路)に異常をきたすことがあります。上部尿路の異常がないか調べたり、他の疾患が無いか確認するために、行われる画像検査です。

治療

前立腺肥大症の治療は、薬物治療または手術治療となります。 薬物治療は前立腺周囲の平滑筋をリラックスさせる薬、男性ホルモンの働きを限定的に抑え、前立腺を小さくする薬、前立腺や尿道の平滑筋をリラックスさせたり、血流を改善させたりすることで症状の改善をはかる薬などがあります。
薬物治療を行っても、症状の十分な改善が得られない場合や、肉眼的血尿、尿路感染、尿閉を繰り返す場合、膀胱に結石ができた場合、腎機能障害が発生した場合には手術による治療が行われます。また、薬物治療より手術治療の方が治療効果は高いですので、薬を減らしたい方や高い効果を期待したい方は、はじめから手術療法も選択肢となります。
手術は、尿道よりカメラ挿入して、肥大した前立腺で圧迫された前立腺部尿道を含めて肥大組織の一部を切除することによって下部尿路の閉塞を解除します。


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