人工透析について
両院ともに血液透析治療を実施しております。(オンラインHDF対応)
帯広泌尿器科:月~土まで毎日午前・午後の2クール制
とかち泌尿器科:月水金は午前・午後の2クール制、火木土は午前のみ
透析患者さんへ
当院では、医師をはじめ、看護師、臨床工学技士が連携し、患者様の状態に合わせた、血液透析治療を提供しています。
また、患者様と医療情報を共有し、ご家族様を含めて、それぞれのニーズに合った、安全で安心できる血液透析治療を目指しています。
透析について
透析は、病気などで機能が低下した腎臓の代わりに、血液から老廃物や余分な水分を取り除いて血液をきれいにする方法です。透析治療には血液透析と腹膜透析があります。当院では血液透析を行っています。
一般的に、血液透析は、1回4時間、週3回ペースで行われるのが基本です。それだけの時間を拘束されることに大きな負担を感じるかもしれません。しかし、合併症予防の観点からも、透析に十分な時間をかけることが望ましいとされています。腎臓は毎日休むことなく働いています。その働きを週に換算すると、24時間×7日で168時間となりますが、透析で補えるのは週12時間程度ですから、腎臓本来の機能を代替するにはまだまだ不十分なのです。
近年では、新しい血液浄化法の一つとして「オンラインHDF(血液透析濾過)」が登場しています。オンラインHDFとは、従来の血液透析(HD)に血液濾過(HF)を合わせた治療方法です。濾過を多くかけることで、透析中の血圧を安定させ、さまざまな合併症を予防する効果があるといわれています。当院でもオンラインHDFを取り入れています。
腎臓の機能が低下すると尿が出なくなり、体に老廃物や水分が溜まってしまいます。限られた透析時間で血液中の老廃物や余分な水分を取り除くことには限界があり、できるだけ体に老廃物や余分な水分が溜まらないよう自己管理することが大切です。
その中でも塩分・水分・カリウム・リンを摂り過ぎないことがとても重要になります。
塩分を取り過ぎないために
- 酸味、香辛料、食品の香り、だしを使って塩味の代わりにしましょう
- 鮮度の良い食材を使って、材料の持ち味を生かしましょう
- 調理の味付けにメリハリをつけましょう
- 減塩の調味料を利用しましょう
- 調味料、食塩の多い加工品の使用に気をつけましょう
- 外食をするとき、総菜を利用するときは前後の食事で塩分を減らして調整しましょう
- 調味料は軽量して使用しましょう
- 薄味でも食べる量が多いと塩分の摂り過ぎになることもあるので気を付けましょう
水分を取り過ぎないために
- 塩分は1日5g以下にしましょう
- 目盛付きのコップで飲みましょう
- 水分の多い食品(お粥・カレー・豆腐・果物など)を食べたときは飲む量を減らしましょう
- 氷も1個につき15~20mlの水分として計算しましょう
- 血圧が高くなる、足がむくむ、体重が増えてしまう方はもう一度食事の内容を振り返ってみましょう
- こまめに体重を測りましょう
カリウムを減らす方法
同じ量でも食品を替えるとカリウムの摂取量を減らすことができます
- ほうれん草 → チンゲン菜
- 枝豆 → さやいんげん
- バナナ → いちご
- もも → りんご
- しらす → カニかまぼこ
- 玉露・ココア → ほうじ茶・麦茶
カリウムを減らす調理方法
- 野菜は茹でるか、細かく刻んで水にさらし、よく絞ってから食べましょう
- ゆで汁や、さらし汁にはカリウムが多く入っているので捨てましょう
- 加熱処理でも揚げる、焼く調理方法はカリウムがそのまま残りやすいので気をつけましょう
リンを減らす方法
- 肉は赤身より脂身の多いものを選びましょう
- 乳製品を摂り過ぎないようにしましょう
- 加工食品を摂り過ぎないようにしましょう
- 低リン食品を利用しましょう
食事療法を行うポイント
- 自分の性格の傾向をつかみましょう
- 最初から全て完璧にしようとせず、できることから少しずつ始めましょう
- 家族にも協力してもらいましょう
- 努力が全て検査結果に表れるわけではありません。検査結果が思ったより悪くても、今まで頑張った自分を認めましょう
- 毎日制限食ばかりではストレスが溜まります。気分転換をしましょう
シャントの管理
毎日シャントを触って、ザーザーという触れがいつもと変わらないことを確認しましょう。止血ベルトを使用している方は、血が止まっていれば、1時間以内に外しましょう。絆創膏は翌朝にはがして、優しく洗い清潔にしましょう。痒みがある時は掻いたりせず医師に相談しましょう。出血したときは、慌てず清潔なガーゼやティッシュで押さえて止血しましょう。血が止まったら、必ずシャントの音を聞きましょう。シャントの腕での血圧測定、時計やきつい服の腕まくりはしないようにしましょう。透析の後や血圧低下時、痛みが出たときはシャント音を確認しましょう。